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「お客様を輝かせることによって弊社も輝いていきたい」40周年を迎えた西武通信、中尾社長インタビュー

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1977年の設立以来、IT通信機器の販売をはじめ、オフィス環境に関わる移転やオフィス物件の選定など、さまざまなサービスを提供してきた西武通信。当社は今年で創業40周年を迎えました。先代からの世代交代からも10年が経ち、現社長の中尾吉臣は、今改めて、西武通信の在り方について考えると言います。中尾社長の考える西武通信のビジネスモデルとはどのようなものなのか、また西武通信の今後の10年に何を見据えているのか。社長の熱い念いに迫りました。

 

「営業は芸術なり」仕事の師匠である先代からの継承

nakao-22――先代である父親の話をきっかけに、マンション投資販売の会社から西武通信に入社されたとのことですが、入社したばかりのころの仕事はいかがでしたか?

最初の1年間は大変苦労しました。前職とは営業のスタンスがまったく異なっていましたし、仕事の内容としても、電話機やコピー機について、機能面の説明をするという営業アプローチの仕方が難しかった記憶があります。営業をしても相手に響かず、1年間で1セットも売れない。お客様を訪問するのが苦痛で、営業に行っても売れない自分が嫌だった時期です。

――そうした現状が打破されたきっかけのようなものはあったんでしょうか。

新商材の提案をしました。具体的には、携帯電話の販売や回線サービスです。それを自由に試させてもらえるようになると、数字も取れるようになりました。成功経験を1件ずつ積み上げていくことで、自信につながり、「訪問恐怖症」のようなものも克服できました。自分に自信が持てるようになると、人は変わるのだと、身をもって実感しました。

 

――それまで父親としてしか見ていなかった先代との仕事はどうでしたか?

父は非常に厳格な人で、それは仕事においても変わりはありませんでした。ですが、特に営業の仕事においては師匠のような存在。褒められたことはありませんでしたが、接するなかで深い愛情を感じました。

 

――先代の言葉で、印象に残っているものはありますか?

まず、「営業は芸術なり」。我々の業界のように、アポなしで飛び込み営業をして、契約を取るとなると、商談をしているあいだにおいては、その商談がおもしろくなければなりません。

商談の時間は、営業マン独りのショータイムだと先代は言っていました。「契約を取るためには、人と違ったことをアピールし、誰が見ても美しい営業をしろ」と。

ちなみに、同じことをMBAのマイケル・ジョーダンも言っています。試合の勝ち負けも大事だが、その前に「最高のショータイムを観客に見せよう」と。だから彼は、カリスマ性のあるスター選手になっているのではないでしょうか。

また、芸術たる営業をするためには、自信を持っている必要があります。その意味で、「外出する前に自分を鏡に映せ。その顔に自信があふれているか?」とも言われていました。

次に、「Behavior」。立居振る舞いのことです。「営業マンは口だけでしゃべるな、体を動かして話せ」と言われました。ショータイムにおけるパフォーマンスと言った具合でしょうか。体でしゃべって、お客様を圧倒させろ、という言葉でした。

nakao-21それから、印象に残っているのが、「心と心のベルトをかける」、そして「営業は断られてからが勝負だ」。

「心と心のベルトをかける」というのは、最初まったく動いていないお客様の心に対して、営業マンがベルトを投げると、固まっていた心が水車や風車のように、まずはゆっくりと、そして次第に勢いよく回っていくイメージを言ったものです。ただ、はじめからお客様の心は簡単に動きません。断られてしまったときには、「もしこうだったら~」という「if」の言葉を投げかけ、ベルトをかけ直す。とてもわかりやすいイメージで、共感できました。

あとは、特に重要だと思う言葉に「自分の分身を作れ」「周りの人を光らせろ」というものがあります。たとえば、今は会社の代表という立場ですが、自分は前には出ません。その代わり、周りを光らせる。そうすればおのずと周りが自分を輝かせてくれるという考え方です。スタッフや起業家、オーナー様など、とにかくプレイヤーを光らせる。そうした先代の考えは、私のなかに深く根付いています。

 

――そんな先代から西武通信を継承されたときの想いは、どのようなものでしたか?

父が資本金8億円まで大きくした会社を引き継ぎ、守ることへのプレッシャーは大きいものでした。ですが、それをバックアップしてくれる役員やスタッフがいたので、「チャレンジするしかない」と決意を固めました。

 

――世代交代から10年経って、どんな思いですか?

ひたすら前を向いて進み続けた10年だったと感じます。これもまた先代から教わった言葉ですが、「攻撃は最大の防御なり」という考え方が大きかったです。多くの経験を財産にし、またつらい経験もバネにして、会社を守ってこうと強く念ってきた10年間でした。

また、プレイヤーからマネージャーになりましたが、自分が自分であるために、常に現場を見続けていきたいとも考えてきました。

池袋という街での不動産事業~育ててくれた街への恩返し

nakao-25――先代から継承してまもなく、池袋に本社を移転していますが、池袋を選んだ理由というのは何だったんでしょうか。

西武通信は西池袋からスタートしたので、「原点回帰」の意味でこの街を選びました。また個人的に、池袋は私が若いころによく出歩いていた街でもあり、育ててもらったとも言える街。その恩返しの気持ちを強く持っています。

それから、詳しくは後述しますが、池袋に移転したころ弊社は不動産事業を始めました。当時は、大手ファンドがさまざまな物件を次々に高値にして売却していた時代でしたが、池袋は資産が代々相続で引き継がれてきているという特徴があった。それを見て、オーナー様の思いが強い街だと魅力を感じたんです。そこで、「オーナー様の物件の資産価値を上げるお手伝いをしていこう」と考えました。

――不動産事業を始めたきっかけというのはどのようなものだったのでしょう。

OA関連のお客様から、オフィス移転に伴うOAの移動や、電話回線の手続きについてご連絡をいただいた際、「自分たちは新規オフィスのインフラに関するサポートしかできていない」と感じたことがきっかけです。そこで、インフラだけでなく、ハコであるオフィスまで、すべてをプロデュースしたい考え、不動産業を開始しました。

また、後継者問題に悩むオーナー様からの相談に応えたいと考えたこともあります。オーナー様の持っている大切な資産をうまく継承していきたい。そうした思いも不動産事業を推し進めた要因です。

――今後、池袋を中心としたエリアについて考えるところがあれば教えてください。

池袋、新宿、渋谷といった3エリアを中心に、たずさわるエリアをさらに魅力のある街にしていきたいと考えています。そのためにはまず、マーケットの活性化ですね。よりよい売り上げを上げて、地域のマーケットに貢献したい。そして、オーナー様の資産価値を上げることで、さらに地域を活性化させていきたいと考えています。

 

人格を磨かれた起業家を1人でも多く輩出したい

nakao-23――「起業家・経営者を、1人でも多く輩出したい」とよく言われていますが、そこにはどのような思いがあるのでしょうか。

経営者にはつらいこともありますが、「経営者になってよかった」ということを、私自身が強く感じています。それをより多くの人に実感してもらいたい。

また、起業家には責任感が付いてきますので、そういう責任感のある人を1人でも世に出していきたいです。そうすれば、世の中もよくなるんじゃないかと信じています。

――「責任感」というのは、起業家・経営者として大切にするべきキーワードのひとつなのでしょうか。

責任感も含め、人格者であることが大事だと思います。仕事も人格があるから磨かれていくもの。今、起業はしようと思えば誰でもできますが、起業はゴールではなく、スタートです。

そこからいろいろ世間にもまれるなかで、起業家は「自分は人格者であるべきだ」と気づかされるのではないでしょうか。私自身今でも、日々お会いし、たずさわる方々によって、経営者としての人格を磨いてもらっていると実感しています。

 

――責任感のほかに、「人格」に必要だと考えるものについて教えてください。

「気概」ですね。最近、気概が足りない人が多いように感じられます。仕事やお金のことだけを考えるのではなく、矜持・プライドを持つことが、人格者にとって必要だと強く思います。

 

――起業家・経営者を目指す人へのメッセージをお願いします。

せっかくこの世界に生を受けたのであれば、ダイナミックに生きてチャンスをつかみ、夢を叶えてほしい。失敗を恐れることはありません。未来のなりたい自分、自分像を強くイメージし続けてほしいと思います。そのようにして起業された方々と、チームを作るように切磋琢磨させていただきながら、引き続き起業家を応援していきたいです。

 

「人稼ぎのできる」社員あってこその西武通信

nakao-26――営業マン時代を含め、西武通信で働くなかでやりがいを感じた瞬間はありますか?

自分や言葉を飾らずに伝え続ければ、相手に熱が届くと感じた瞬間にやりがいを感じます。「任せるよ!」と言われるのが、営業マン時代からの喜びです。また、経営者の立場になってからは、派手さはなくても芯の通った、誠実な営業マンを育てているという自負を持っています。

 

――それは自社のスタッフに対しても響く言葉ですね。

お金を稼ぐことは大切なことですが、働くうえでもっと大切なことは「人稼ぎ」ができることです。自社のスタッフには、人との出会いを活かし、自身の経験を積み、人格を磨いていってほしいと思っています。

 

40周年を迎え、「攻めの10年」へ~クラシックでありながら、とがっていたい

nakao-14――西武通信のビジネスモデルのキーワードや、会社経営の理念はどのようなものなのでしょうか。

少し大胆なフレーズを使えば「毒+Classic」。かみ砕いて言うと、挑戦者でありながら、継承者であるというところです。温故知新の考え方も近いでしょう。クラシカルなイメージを持ちつつ、とがったものも持ちたいというのが理念です。

――今年、西武通信は40周年を迎えましたが、今後10年の展望を教えてください。

攻めの10年にしたいと思っています。これまでの事業はもちろん、新しい分野やサービスについても研究し、積極的にチャレンジしていきたい。より起業しやすいサービス、企業がより成功できるサービスを提供していきたいです。

また、オーナー様に対しては、今後も「空室期間を短くする」「物件の価値を上げる」「物件の魅力を増やす」「家賃の値下げ競争に巻き込まれないようにする」ということを意識し、実践していきます。先代である父の思いを大切に守りながら、自分流のビジネススタイルを貫き、「西武通信を守り、自分と関わった企業様には必ず飛躍していただく」という、私の人生における使命を果たしたい。今後も、お客様をはじめ、スタッフ、取引先、株主に花丸がもらえる、優良な企業になっていくことを目指したいと考えています。

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